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専門医に聞く

「専門医に聞く」は、最前線でご活躍されている小児内分泌の専門医の先生に、施設の取り組みや成長ホルモン治療を行うかかりつけの先生へのアドバイスをお聞きしたコンテンツです。

第二回 成長ホルモン治療のコンプライアンスの現状とその課題(1/2)

治療を成功させるカギは、親の毅然とした態度

大阪府立母子保健医療センター 消化器・内分泌科 主任部長 位田 忍 先生

日々小児の成長ホルモン分泌不全性低身長(GHD)の治療に携わっている、小児内分泌の専門医・位田忍先生に、この治療の効果と課題などについてうかがいました。

位田忍先生

親が納得して治療を開始することが大切

治療開始までのプロセスを教えてください。

低身長の疑いで来院した子供たちに、すぐ治療を開始するわけではありません。半年くらい観察期間を置いて成長スピードに問題があるようであれば「検査をする段階に移りましょう」と話すことにしています。しかし、検査までは比較的スムーズに進むものの、いざ治療開始となると不安に感じる親御さんが多いのも事実です。

私たち医療関係者は、デバイスや針に慣れていますが、一般の方にとっては治療のためのデバイスを家に持って帰ること自体が、大変な出来事なのでしょう。ましてやほぼ毎日自己注射を行うのですから、心配するのも当然です。

私たちの病院では、こうした負担を少しでも軽減するために、看護師の協力のもと、はじめの1~2週間はデバイスに触ってみたり、人形で練習したりといったプロセスを経ながら、導入するようにしています。その後の通院スケジュールを示して見通しが立つようにしています(図)。
医療関係者と患者さんの信頼関係を築いていくには、このような工夫も必要なのかもしれません。

もう一つ大切なのは、親が納得して治療を開始するということです。
成長障害の治療は、3~6歳の小学校に入る前に開始することが多く、はじめのうちは親が注射を行うことになります。親が躊躇していれば、子どもはそれを敏感に感じ取って嫌がります。恐らく、注射が痛いからというわけではないと思います。ですからこの治療を続けていくことに対して、親は毅然とした態度をとることも大切です。

(図)患者さんへの説明ツール

検査の説明
外来スケジュール表