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成長ホルモン治療を受けている方の声

おおきくなぁれ 患者さんインタビュー 第2回

今回は、第1回に引き続いて兵庫医科大学小児科で成長ホルモン治療を受けている可奈さん(仮名)のお父様にお話をうかがいました。

こころの成長に合わせた 無理のない治療を

可奈さんは11歳。公園で静かに花を見たり、猫と遊んだりすることが好きな、気持ちのやさしい小学5年生の女の子です。ご両親は、同年齢の子どもと比べると頭一つ小さな可奈さんが、学校で「チビ」とからかわれていることを知り、将来、こころの傷になってはいけないとの思いから治療を始められたとのことです。

「人と争うことを好まず、のんびり育ってきた娘が、母親に泣いて訴えたのですから、かなりのことだと思います。娘と話して治療を決めた時も、初めは "注射は痛いからいや" と嫌がったのですが、からかいが余程いやだったのでしょう、しぶしぶ納得しました」

治療すると決めて以来、可奈さんがスムーズに治療を受入れられるようにと、お父様はさまざまに工夫を重ねました。娘に痛みを感じさせないようにと、夜、可奈さんが寝入った直後を見計らって注射をしたり、針が短く、痛みを感じさせにくい注射器があると聞くと、さっそく使ってみたりしたそうです。

「治療については本人も納得したはずなのに、ときどきは "もうイヤだ、やめる" と訴えることがありました。思春期の女の子ですから、気持ちが不安定なのでしょうね。しかし、そんな時には無理強いはしません。翌日、落ち着いたところで、妻が注射の大切さをゆっくりと話して納得させてから、再度、注射をするようにしました」
「親はついつい "注射すること" だけを考えて、子どもの気持ちを無視しがちです。しかしそれでは、思春期の子どもは反発します。やはり、注射を特別なことと思わせないで、毎日の食事や歯磨きと同じくらいに、普通になるようにすることが、大切なのでしょうね」

治療を開始して1年が経過、可奈さんの身長はこの1年で7cm伸びました。"治療を続けていれば大きくなるのだ" ということが分かり、可奈さんの気持ちに明らかな変化が現れたようです。

「まだ学校ではからかわれているようですが、前のようにひどく悩むことはなくなりました。親の目から見ると、7cm以上に大きくなったように思えます。こころの面の成長があったのでしょうね」
「そろそろ、"お父さんの注射はいや、肌を見せたくない" と妻に打ち明けるかもしれません。それも成長の過程です。それを契機に自己注射をするようになってくれるかもしれません。やはり、この治療は、身体の成長だけでなく、こころの成長を促してくれるのではないかと思います」

現在、可奈さんは小学2年生から始めたバレエに真剣に取り組んでいるそうです。お父様の夢は、身体もこころも、まっすぐに成長し、はつらつと活躍する大人の女性になってくれることのようです。

主治医の先生から

私は患者さんに、「成長ホルモン治療をすることは、ネガティブなことではない。」と説明しています。治療によって、患者さんが笑顔になれる。その成長を見守る医療スタッフも感謝される、そんな関係をこれからも続けて行ければと思います。

たにざわこどもクリニック 院長
(兵庫医科大学病院 小児科 名誉教授)
谷澤 隆邦 先生

第1回

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